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デイリー通信|第17日目

昨日に続く好天のおかげで、平日にもかかわらず、本日も大勢のお客様にお越しいただきました。

そして、連日恒例となった上映後のトーク企画、本日も盛況でした。

『美しい術』上映後には、大江崇允監督、撮影監督兼照明の三浦大輔さん、出演者の土田愛里さん、そして、森衣里さんをお招きし、今作の撮影までの過程、今作の意図を語っていただきました。

様々なお話をして頂いたなかで、最も印象に残ったことは、クランク・イン前に稽古期間がある、ということでした。

大江監督が大学時代に演劇を専攻していらしたこともあって、クランク・イン前に2~3週間、週に3回の頻度で稽古を行い、そこで監督と役者の意見交換が行われ、映画の世界観が出来上がっていくのだそうで、この期間にカメラ・アングルも決めてしまい、稽古の段階で作品の形を創り上げるのが、他の自主製作映画とは少し違う所ではないかと、土田さんが仰っていました。

その後、議題は今作品の意図へと移ります。

「この人たち(役者さん)を見ていると、何か生きるのが辛そうに感じる」と大江監督が語り始め、「なぜ、この人たちはこんなにも、しんどそうなんだろうか」と考えたとき、「何か希望を描きたい」と思い、今作品の構想を練り始めたそうです。

そして、監督の推察通り、役者さんたちも、「なぜ、こんなに生きることがつらいのだろう」と感じていたそうで、今作品に出演したうえで、土田さんは「救われた。この映画に出て浄化された」と仰っていました。

「良い映画を見て、観客が救われた」というのはよくある話ですが、「映画に出演して救われた」というのは殆ど聞いたことがなかったので、映画には見る者を救う力もあるが、見られる者をも救う力があるのか、と思い、映画が持つ不思議な魔力を見せられた思いでした。

『阿呆論』上映後には、木村卓司監督にお越しいただき、創作方法、今作の意図について、お話をしていただきました。

木村監督は、台本は書かず、絵コンテを描いて、その絵コンテに出来る限り近い風景を、ご自身の足で探されるのだそうです。

絵コンテは描くが、絶対にそのイメージでなければならないわけではなく、歩いていて面白いイメージが見つかれば、それもどんどん作品に取り込んでいくという臨機応変なスタイルで撮影されていて、それが作品の物語性というよりかは、映像の連鎖による感覚的な映画になる所以ではないかと、監督が仰っていました。

今作品がほぼ白黒で撮影されている理由は、木村監督の敬愛するジョン・フランケンハイマーの傑作に白黒作品が多いからということでした。

また、観客の方からの「今作は球体(顔、バランスボール、眼球等)がモチーフだと思うのですが、その意図は何でしょうか?」という問いに、「今回使用した音楽がウェーベルンのものだからです。ウェーベルンの音楽は、音譜が自転していると言われています。そこで、丸いもの、地球、自転、ウェーベルンと連想してゆき、音楽(ウェーベルン)と映像(球体)をひっつけたかったのです」と、木村監督独自の感性で語られていたのが、印象的でした。

明日、4月6日(火)の来場予定監督は

12時半開始の上映終了後  中川真輔監督(『小悪人』)

14時半開始の上映終了後  平田圭一監督(『彼女と本と銃』『カーニバル』)

16時半開始の上映終了後  大江崇允監督(『美しい術』)

となっております。

会場でしか聞けない話が盛りだくさんなので、是非、奮ってご参加下さい。

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